ペルソナ(PSP版)レビュー

ゲーム日記

中流サラリーマンの並平です。

今回はPSP版の『ペルソナ』をレビューします。

PlayStationの初代『女神異聞録ペルソナ』は発売当時にプレイしていました。なぜこのゲームを手に取ったのかは思い出せませんが、ダークな世界観とポップなキャラたちがめっちゃおしゃれに見えて、今でも大好きなシリーズです。

ただ、ダンジョンに入ると1~2時間はセーブができず、初見の敵に魔法跳ね返されて全滅とか、結構苦しんだ記憶はあります。(当時のRPGゲームはだいたいそんな感じでしたが…。)

PSP版には中断セーブ機能がついているし、本体のスリープもできるので、当時よりも気楽にプレイできました。


はじめに:すべてはここから始まった

PSP版『ペルソナ』は、アトラスの名作RPGを携帯機向けにリメイクした作品です。シリーズの原点にあたるタイトルであり、後の作品群へとつながる“ペルソナ”という概念の礎を築いた一作でもあります。

PSP版ではシステムやUIの調整、新規楽曲の追加などが行われ、オリジナル版よりも遊びやすく進化しています。とはいえ、ベースは1990年代のRPG。現代的なテンポ感に慣れていると戸惑う部分もありますが、その分だけ独特の空気感や世界観の濃さが際立っています。


ストーリー:日常と異界が交錯する不穏な物語

物語の舞台は、とある地方都市の高校。主人公たちは「ペルソナ様」と呼ばれる降霊遊びをきっかけに、異形の存在と向き合う運命へと巻き込まれていきます。

日常の延長線上に突如として現れる異界。崩れていく街並み。仮面をまとった異形の存在。そして、少年少女たちの心に潜むもう一人の自分――。

派手な演出で引っ張るタイプの物語ではありませんが、じわじわと侵食してくるような不穏さが印象的です。キャラクター同士の距離感もどこか生々しく、友情一辺倒ではない関係性が描かれる点も本作らしさでしょう。

また、本作にはルート分岐が存在し、選択次第で展開が大きく変わります。特定の条件を満たすことで進める「雪の女王編」はボリュームもあり、やり込み要素としても非常に魅力的です。一度クリアした後に別ルートへ進む楽しみもあり、繰り返し遊びたくなる作りになっています。


バトルシステム:交渉と陣形がカギ

本作の戦闘はコマンド選択式のターン制バトルです。敵との位置関係や陣形が重要で、前列・後列の配置によって攻撃範囲や命中率が変わります。この“位置取り”の概念は、慣れるまでは少し複雑に感じるかもしれません。

また、ペルソナシリーズの特徴である「悪魔交渉」も健在です。敵と会話を行い、機嫌を取りながらカードを入手していきます。単純に倒すだけではなく、会話によって戦闘を有利に進めるシステムは、他のRPGにはない独自性があります。

ただし、戦闘テンポはややゆったりめです。エフェクトやアニメーションも現代作品と比べると控えめで、サクサク進むというよりは、じっくりとコマンドを選んでいくタイプのバトルです。この点は好みが分かれるところでしょう。

一方で、ペルソナの付け替えによるキャラクター育成は奥深く、相性や属性を考えながら編成を組む楽しさがあります。強力なペルソナを作るために悪魔合体を繰り返す作業は、ハマる人にはとことん刺さる要素です。


ダンジョン探索:無機質さが生む緊張感

ダンジョンは基本的に3Dの迷宮型。ランダムエンカウント方式で敵が出現します。マップ構造は比較的シンプルですが、雰囲気はかなり重苦しく、BGMと相まって独特の緊張感を生み出しています。

PSP版では難易度選択が可能になり、遊びやすさが向上しました。それでも油断すると全滅するバランスは健在で、こまめなセーブと慎重な進行が求められます。

快適性という意味では最新RPGには及びませんが、この不便さもまた本作の持つ空気の一部だと感じました。常にどこか不安を抱えながら進む感覚は、物語のテーマとも噛み合っています。


音楽:大胆なアレンジと賛否

PSP版で大きく変わったのが音楽です。原作の楽曲に加え、新規アレンジ曲が多数収録されています。ポップでスタイリッシュな楽曲は印象に残りやすく、戦闘BGMなどは特に耳に残ります。

一方で、オリジナル版の重厚な雰囲気を好む人にとっては、雰囲気が変わりすぎていると感じるかもしれません。とはいえ、PSP版単体で見れば楽曲の完成度は高く、携帯機で遊ぶ作品としての魅力をしっかり引き上げています。


総評:荒削りだが、確かな原点

PSP版『ペルソナ』は、決して万人向けとは言えません。戦闘テンポは遅めで、システムもやや複雑。ダンジョンもストイックです。

しかし、その不便さの奥にあるのは、濃密な世界観と独特の緊張感、そして「自分の中のもう一人」と向き合うという普遍的なテーマです。派手さよりも空気感で魅せる作品と言えるでしょう。

シリーズの原点に触れたい方、重厚でダークなRPGをじっくり味わいたい方には、今でも十分に遊ぶ価値のある一作です。携帯機で腰を据えて遊ぶという体験も含めて、唯一無二の魅力を持ったタイトルだと感じました。

原点だからこそ感じられる粗さと、原点だからこそ味わえる濃さ。その両方を受け止められる方に、ぜひ手に取ってほしい作品です。